2007/10/21 「1枚の板」
今日はとても天気が良く
こんな日はどんな感じなのだろうと
気になり一人で時間の合間を縫って
現場に行ってきました。
現場の方は塗装工事に入っています。
階段のハードメープルの集材材も
クリヤ塗装で仕上がっていました。
以前のブログで触れましたが今回の敷地には
もともと祖父と祖母の家がありました。
基本的に建替えなので旧い家屋は全て解体し
処分したのですが一つだけ再利用する予定の
ものがあります。それがこの1枚の板。
この板は和裁をやっていた祖母が裁台として
何十年間と使ってきたものです。
撤去した状態はその年十年もの歴史を物語る
傷があちこちにあり色もグレーに染まっていました。
これは杉の板の赤身(木の中心付近)でしょうか。
表面を削ってもらうと全く新しい命が吹き込まれた
ようです。
今度は私の書斎(少し偉そうですが一応・・・)
の机としてさらに何十年と頑張ってもらいます。
私の息子にもこの歴史の繋がりを話してやり
彼にも違った形で繋がっていければと思います。
それにしても木や石の懐の深さというか
その生命力には本当に、ただただ感心するばかり。
近頃の表面のみ、その姿を装ったものには無い
奥行きを感じてしまいます。
現在のそういった商品が悪いというわけでは
ありませんが、理解して選択して欲しいと
いつも思っています。
例えば、このように思いを繋ぐことは
貼りものでは出来ないのですから。